NDC LUNCH
MEETING

羽生祥子 日経xwoman編集長/日経ARIA編集長

Event Date : 2019.04.2

羽生祥子 日経xwoman編集長/日経ARIA編集長

先進のテクノロジーや独自の発想で、デザインの可能性を広げる人たちがいます。さまざまな領域を横断し、これからのデザインをともに考える対話の場「NDC LUNCH MEETING」。今回は、40〜50代の働く女性向けWebメディア「 日経ARIA」編集長の羽生祥子さんをお招きしました。

「日経ARIA」を創刊した理由は、40〜50代の働く女性向けに
上質な情報を届けているWebメディアがなかったから───羽生
「日経ARIA」を創刊した理由は、40〜50代の働く女性向けに上質な情報を届けているWebメディアがなかったから
───羽生

羽生

京都大学を卒業したあとに渡仏し、フリーランス、契約社員、業務委託など多様なスタイルでの働き方を経験してきました。その後、編集工学研究所を経て、現日経BP社に入社してからは編集の仕事に携わっています。女性誌、デジタル誌など雑誌を作っていた中で、大きな転機となったのは、働くママ&パパを応援するノウハウ情報サイト「日経DUAL」を企画したことですね。社内で初めてのデジタルファーストメディアとして社長賞をいただき、ビジネスモデルを探りながら、2013年に創刊となりました。現在は「 日経xwoman(クロスウーマン)」という女性向けのデジタル媒体プラットホームの総編集長をしながら、社外の企業研修を請け負ったり、地域からの発信をサポートしたり、内閣府の少子化対策メンバーを務めるなど、民間、地域、行政と連携しながら、メディアの果たせる役割を多角的に考えています。

鍋田(NDC)

2019年、「日経ARIA」を創刊されたきっかけは何ですか?

羽生

日本での女性の就業率が過去最高になっていることです。「日経ARIA」世代である40〜50代の働く女性は、ビジネスパーソンとして、妻として、母として、仕事もプライベートも必死に進んできました。そして今、人生の中央地点に立っている。自由にグランドマップを描くことができる。そんな大人世代に、仕事から遊びまで上質な情報を届けているWebメディアがありそうでなかったことです。

三好(NDC)

新しいWebメディアを企画・制作・運用していくときには、どのようなことを考えているのでしょう?

羽生

マーケットデザインとメディアメーキングのどちらも大切にすることです。ネット世界の戦いは熾烈です。勝者か敗者のどちらかしかいない。両方の視点からニーズをいち早くキャッチして解決していくことが必須だと考えています。収入源のバランスも重要です。景気に左右されず、Webメディアを持続していくには、広告収入と購読料のバランスが大切で、そこを日々模索しながら運用しています。

羽生祥子(Habu Sachiko)
日経xwoman編集長/日経ARIA編集長

1976年生まれ。京都大学農学部入学、総合人間学部卒業。編集工学研究所で松岡正剛に師事し『千夜千冊』等に関わる。2005年現日経BP社入社。12年『日経マネー』副編集長。13年『日経DUAL』を企画立案し創刊編集長に。19年『日経xwoman』プロジェクト始動、『日経ARIA』編集長。15年、19年内閣府少子化対策大綱有識者、16年~厚生労働省イクメンプロジェクト委員、19年東京都「子育て応援とうきょう会議」構成委員。昭和女子大「キャリアデザイン」講師、TV・ラジオ・セミナー等に出演。

鍋田(NDC)

「日経ARIA」の制作はどのように進めましたか?

羽生

Webサイト全体のデザインと構築はチームラボにお願いしました。40〜50代女性をターゲットにしている雑誌のロゴを集めて、どこにもないものを模索しました。威厳があって堂々として・・というイメージがつきやすい年代なので、むしろ逆方向の自由なトーンで行こうと。そのようなことを議論しあい、ちょっと幅が広くて、手描きも入った柔軟な雰囲気のロゴに決めました。プロモーション動画も制作しました。

日経ARIAブランドムービー

吉岡(NDC)

動画制作についても教えてください。

羽生

動画制作は、映画「万引き家族」を制作した映像チームにお願いしました。コピーライティングは、「13歳で結婚。14歳で出産。恋は、まだ知らない」というプラン・インターナショナル・ジャパンの広告などを手掛けている、こやま淳子さんです。いままでの経験上、Webメディアを立ち上げるのであれば、紙媒体ではなくWeb上でテストマーケティングをすることが重要とわかっていたので、この動画を再生できるQRコードを埋め込んだフィラを各イベントなどで配布しました。すると、3〜4週間であっという間に1万回以上も再生され、このコンテンツ方針でいけば創刊後も会員になってくれる方は相当数いるだろうという手応えを感じました。私はWebメディアを始めて7年が経ちましたが、広告宣伝は、記事作りとは違い、ときに事実よりフィクションのほうが心に残るということも実感しています。その好事例が、このARIAのブランドムービーですね。

20〜30代の多様化世代に向けて
「日経doors」を同時創刊───羽生
20〜30代の多様化世代に向けて
「日経doors」を同時創刊───羽生
───石井

松野(NDC)

「日経ARIA」と同時に創刊された、もうひとつのメディア「日経doors」についても教えてください。

羽生

「日経doors」は、20〜30代の多様化世代をターゲットとしています。副業が解禁され、女性起業家が増え、雇用が多様化している中で100年を生きていかなければならないという時代に、より自分らしい道を進みたいと考える独身女性を応援するWebメディアです。「日経ARIA」のブランドスローガンが“大人の「働く・学ぶ・遊ぶ」を讃える”であるのに対し、「日経doors」は“私だけの扉を見つける”と定義しています。

松本(NDC)

複数のメディアを立ち上げるときに大事にしていることはありますか?

羽生

ターゲットを絞ることです。多くの人に読んでもらおうと考えるほど誰にも届かないものになる。日本にARIA世代は370万人、doors世代は350万人がいるので、そこだけに向かってコンテンツを作ることです。「40-50代の働く女性」や「20-30代の働く独身女性」と絞り込むことは、最新サービスを打ち立てるにはマーケットが小さいと感じられるかもしれません。しかし、その世代にしっかりコミットしてもらえたら、700-800万人が待っている市場なのでビジネスとしては充分に成立します。

羽生

例えば総合サイトの中で、働く女性の保険特集をつくる場合、「働く女性の保険特集」というタイトルはNGです。保険商品は属性によってフィットする内容が違うので、結局、「あなたは独身、DINKS、共働きのうちどれですか?」などを聞き直す必要がありますよね。それではほんとうに届けたい記事にユーザーが辿り付くまでに3回も4回もクリックしてもらわないとならない。ARIA世代の保険はこれ、doors世代の保険はこれ、というのを1クリックでやらないとコンテンツにリーチする前に読者が離脱してしまうのです。

そして「日経DUAL」「日経ARIA」「日経doors」の交差点となる
「Terrace」をオープンさせたかった───羽生
そして「日経DUAL」「日経ARIA」「日経doors」の交差点となる
「Terrace」をオープンさせたかった───羽生

鍋田(NDC)

複数のメディアを束ねる必要はないのでしょうか?

羽生

それはありますね。メディアごとのターゲットは絞れば絞るほど響く一方で、多様化世代の「日経doors」、共働き子育て世代の「日経DUAL」、新大人世代の「日経ARIA」と、分断されているメディアに横串を刺したい。その新しい場として、2019年5月に「Terrace」をオープンさせます。

川浪(NDC)

「Terrace」についてもう少し詳しく教えてください。

羽生

「Terrace」を作りたかった理由のひとつは、女性向けのメディアは、食べ物、美容、ファッションなど、ほぼライフに偏った情報しかなく、ビジネス関連のものが不足していること。もうひとつは、メディアの意見や男性の意見に気にせずに、本音で交流しあえる場所を作りたかったことです。その仕組みとして、「日経doors」「日経DUAL」「日経ARIA」の読者が自由に意見を交換できるフォーラムを「Terrace」の中に用意しました。300人のアンバサダーによるブログも設け、発信力がある女性たちから続々と参加表明を頂いています。「Terrace」は発信するメディアではなく、受信するメディアを目指しているので、「マスメディア」と一口に言っても今後ガラッと景色が変わるはずです。

ネットビジネスに欠かせないのは
登録IDリストの強さと、情熱、適切な手法を選ぶこと───羽生
ネットビジネスに欠かせないのは
登録IDリストの強さと、情熱、適切な手法を選ぶこと───羽生

北村(NDC)

読者やコンテンツを絞り込んでいくときのプロセスを教えてください。

羽生

メディアを運用する場合、まずプロフィール的に強いところから狙うというのが定石です。登録されたIDリストがどれほど目立つものであるか。ネットビジネスはハードなので、まずはそこがポイントになります。「日経ARIA」であれば、お金と時間と決定力という3枚のカードを持つ最強の女性たちにあたりに行こう、と。その上で、社会の動きを収集して、各種調査、デプスインタビュー、マジックルームでのヒアリングなどを経て、生まれたのが「これからの仕事」「もういちど学び」「リアルに心配事」「あたらしい自分」という4つのコンテンツです。

鍋田(NDC)

記事を作るときに心がけていることはありますか?

羽生

情報ではなく、情熱を伝えることが大切だと思います。ネット検索をしたらいくつもヒットするようなテーマの軽い記事、複製のサイトから情報を寄せ集めた記事では、読者にも届かないし、スポンサーにも失礼です。例えば離婚をテーマにしたときに「離婚でやるべき10のこと」という記事は軽い情報の域を出ていない。「日経ARIA」で扱うなら、離婚のまわりにある喜怒哀楽をどれほど伝えられるのか。その上でしっかり役立つノウハウも入れていく。そういうことが編集には試されていると思います。

三好(NDC)

テーマへのアプローチや、表現の手法についてはどうお考えですか?

羽生

主題よりも手法が大事です。何かを伝えるときに最適な手法を考えることですね。(今月号は女性活躍でいこう)という企画が決まったとして、例えばマクロの手法では、国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事の取材記事を掲載する。そこまで振り切る。逆にミクロの手法では、50歳でパニック障害になり休職後に7年猛勉強して、ニールズヤードレメディーズの人気講師になったという方にインタビューをし、超パーソナルなところにエッジを立てる。あの手この手で女性活躍を訴求するための手法を考え抜くことが、情熱をまとうことにもつながると思います。

宮﨑(NDC)

画像について工夫されている点はありますか?

羽生

フリー素材のイメージ写真はあまり使いたくありませんね。自分たちで撮ると気がこもるし、内容にふさわしいものができます。仕事でも育児でも、フリー素材は外国人モデルを起用したものが多いですが、限界があると思います。なぜ日本人のためのノウハウ記事なのに、白人が写っているのか?と疑問を抱きます。ただ、自分たちで撮影した画像はデータベース化しないと検索ができないという欠点があるので、使い分けてはいます。あと、まったく同じ単語であっても、看板バナーで画像として見るのと流し込んだデジタルテキストを読むのでは受け取るときの気持ちが違うので、看板と呼ばれるビジュアル部分にも力を入れています。看板内の文字は検索にはヒットしないのですが、SEO対策を捨ててでも、そちらを選ぶことも珍しくありません。

発信日時、情報の質、
すべては入念な調査のうえで決めていく───羽生
発信日時、情報の質、
すべては入念な調査のうえで決めていく
───羽生

宮﨑(NDC)

デバイスの絞り込みはどうされていますか?

羽生

誰がどんなデバイスを使って情報収集しているかは、とても重要なので入念に調査をしています。年齢、未婚既婚、子供の有無、年収などの属性をX軸に取り、Y軸はデバイスの種類、さらに何曜日の何時に、どこで、という点を調査してマトリクスにします。月曜の朝と金曜の夜では反応が違うので。ちなみに私たちメディアの強みは通勤時間帯で、朝6時にメルマガを配信します。doors世代は8割以上がスマホですが、管理職も多いARIA世代はPC比率がやや上がります。6年前に創刊した「日経DUAL」ではECのテストもしたことがありました。モナコ王妃が愛用しているパールネックレスの販売リンクをメルマガに貼ったところ、正午までに3桁の商品数が即完しました。ただ、自分たちのメディアの読書体験を期待するユーザーが物を買いたいというユーザーと同じであるとは限らず、登録リストの明快さを保つためにも、現在はECサイトは運営していません。

矢内(NDC)

デジタルコンテンツの制作やメディアの運用を求められることが増えていますが、どのような情報が本当に価値があるのか、悩むことがあります。

羽生

わかります。いくつかのオウンドメディアを監修・プロデュースしていますが、(それを発信して誰がうれしいの?)と素朴に疑問を感じることはありますね。プロデューサーやデザイナーに企画や編集が任されることもありますが、やはり編集のプロであるエディターが入ったほうがいいケースも多い。そのサイトは役立つデータベースなのか、読み物として興味深いコンテンツサイトのか、社会に投げかけたい議題提起なのか、TOPページからぱっとわかるものでないと。

羽生

私は月刊誌を15年以上編集していましたから、7年前に紙からWebに行くときに、いろいろ実験したんです。紙なら価値があるものが、Webに(テキストや画像などを)流し込んだ瞬間にオーラがペラペラになってありがたみが消えてしまうことってあるんです。特にファッション関係の雑誌は顕著でしたね。いくら有名モデルの写真だとしても、紙とデジタルでデバイスが違うと、情報やコンテンツが放つパワーもぜんぜん違う。紙は紙、デジタルはデジタル、それぞれに適した主題と手法の組み合わせがありますよね。

矢内(NDC)

はい。価値ある内容としてデジタルに変換していくことが必要だと思っています。

価値ある情報源として、専門家による書籍は増えてほしい───羽生
価値ある情報源として、
専門家による書籍は増えてほしい
───羽生

鍋田(NDC)

羽生さんはどのように情報を摂取しているんですか?

羽生

TVはほとんど観ないですね。Netflixなどのオリジナル動画コンテンツは選んで見ますが。一方で書籍を活用していて、常に5冊くらいを併読しています。あとは内閣府や経済機関など、公的なサイトで1次情報を見つけにいく目的でWebを見ますね。SNSはとても元気なときでないと疲れてしまいます(苦笑)。

原(NDC)

「日経doors」「日経DUAL」「日経ARIA」と、横串になる「Terrace」のダイナミックなマトリックスを興味深く拝見しました。いまの10代が成長していく中で、この方法論はどれくらいまで通用すると思いますか?

羽生

私たちメディアは、「電車ではなくて、駅になろう」というふうに社内では言っています。みんなを連れて一緒にどこかへ行ってしまうのではなくて、自分たちの目の前を通過する人を常にキャッチし続ける。つまり、ファーストアダプターである熱心な読者と一緒に、年々メディアが加齢してはいけない。日経doorsなら常に20代を、日経ARIAなら40代を捉え続けて、60代に一緒にあがってしまってはいけない。また、「日経DUALが大好きです」という方に対して、卒業のラインをいかに媒体で作っていくか。読者の子供が小学校を卒業した後も、つい追い続けたくなるのですが、コアファンを追いかけるせいで、若い(子供が0歳などの)読者が入ってこなくなるのは良くないと思うので。

原(NDC)

新聞や雑誌がスマホに置き換わるというのは理解できますが、書籍の未来はどうでしょうか。

羽生

20代も含めて、書籍の売上げはこの5年くらい微増しています。わたしも情報収集するのに書籍はとてもいいメディアだと思う。「日経doors」の読者でも、ほんとうに知りたいときは本を読むという人が多いです。日本はアカデミックと出版社の距離が離れていますよね。専門家による本がもっと増えたらいい。出版は販売プロモーションと連動していることもあり、(ちょっといいことを言うな)という方の本が売れやすい傾向がありますが、科学でも文学でも各テーマで第一次ソースとなる書籍が充実してほしいですね。

Webの特性を活かして情報を削ぎ落とす機能や、
見出しの立て方にも工夫を───羽生
Webの特性を活かして情報を削ぎ落とす機能や、
見出しの立て方にも工夫を
───羽生

矢崎(NDC)

「日経ARIA」は何名ぐらいで制作・運営しているのですか?

羽生

エディターは4人、外部のメインライターが2〜3人で、月に100本の記事を作成しています。あとは看板や図版を作るデザイナー、デジタル編成部隊、マーケティング、開発などの役割分担で動いています。

原(NDC)

見出しについて質問です。紙だとどのような見出しがよくて、Webだとのような見出しがよいのでしょうか?

羽生

「日経ARIA」の見出しは26文字。これはスマホで観たときに2行に収まるということから割り出しています。Webの見出しで大事なのは最初に大事なことを言うことですね。画面の途中で切れてしまうことがあるので、頭出しを心がけます。雑誌の見出しは平均で45文字です。内容を強調するために、Webとは違って修飾語で盛り上げることや最後に本題を述べることも多く、例えば「見出し語大賞2018」で銀賞を受賞した「わがままな甘えん坊、エンドウの育ちを助けるのはムギとルッコラ!」などは、雑誌ならではの見出しです。

原(NDC)

集英社新書の装丁を何年もデザインしているのですが、ここ最近、本のタイトルが急速に長くなっています。それもWebと関係がありますか?

羽生

あると思います。新聞の見出しは、必ず主語述語を入れて10文字程度と決まっています。しかしWebの記事には、長さも手法も厳格な規定があるわけではなくて、あえて答えを言わなかったり、固有名詞だけを立てたりして、クリックを促す手法もあります。新元号が発表されたとき、各新聞は「令和」の2文字だけでした。「令和」という画像がそのまま見出しの機能を果たしていたと考えていいと思います。

色部(NDC)

日経電子版を読んでいます。見出し以外に本文にもWebならではの工夫がありますか?

羽生

作り方やフローも代えています。スクープはデジタルファーストで、オンラインの見え方を基盤に構成しています。

原麻(NDC)

エディターとライターがわかれていることの良さはありますか?わたしはコピーライターという肩書きですが、企画立案に始まり、構成や台割り、取材原稿、キャッチコピー、細かいスペックのとりまとめまで、実際はさまざまな仕事をしています。

羽生

取材に行く前に、大見出し、中見出し、小見出しだけ書いてチェックするという工程があって、「これだとぬるいから、もっとこういう角度で取材して」などの指示を編集者からライターに出すのですが、自分でも書ける編集者のほうがよい指示ができるので、エディターもライターも兼務できるのが理想です。

ますます主流な情報源となるWebメディアだからこそ
稼ぎと努めを実現していこう───羽生
ますます主流な情報源となるWebメディアだからこそ
稼ぎと努めを実現していこう
───羽生

宮﨑(NDC)

SNSの動向についてはどう感じられていますか?

羽生

20〜30代はInstagram、40〜50代はFacebookを使用している印象です。いいね!とPVは如実にリンクしていると思います。一方、離婚の記事だとPVは高いにも関わらず、いいね!は少ないこともあり、自分のタイムラインをどう見せるかもユーザーは考えているのだな、と思います。SNSは指標のone of themですね。

鍋田(NDC)

最後に、Webメディアの今後についてはいかがでしょうか。

羽生

Webメディアで大切なのは、「稼ぎ」と「努め」です。実現したいことがある、世の中を変えたいことがあるという思いがあっても、稼ぎがなければ始まらない。続けられない。そのためには広告収入と購読料の健全なバランスを目指して、積み上げていくしかないと思います。いま20代で言えば、新聞や雑誌で情報を取るのは1日約5分、スマホは約300分です。Webが紙のサイドメディアであった時代はとっくに終わっている。だからこそオンラインの場でどれだけ情報以上のものを届けられるのか、唯一無二の存在感、情熱が大切だと思っています。