BOOKS
Vol.06
和田 英代 言葉で食べる人のための基本10冊
1960年の日本デザインセンター創業時から社員に親しまれ続けている資料室。
その約2万冊の収蔵本の中から選んだ10冊をお勧めする
「ライブラリーのおすすめ本をシェアするプロジェクト」
第6回目は、和田 英代(広報室室長 クリエイティブディレクター)が選んだ10冊です。
1
『イメージ・シンボル事典』
シンボルが呼び起こす西欧文明の種々の連想を提供する事典ですが、私にとってはネーミングを考える時のストレッチ本です。解説のとんでいき方がおもしろい事典です。
2
高橋睦郎(選・文)
『俳句』
「序文」がいです。何かを述べるなら理解だけでは足りない、心を寄せなければと気づかせてくれる「序」です。書かれたのは高橋睦郎さん、日本デザインセンターに在籍された詩人です。
3
眞木準 編
『ひとつ上のプレゼン』
「朗読は大切です」というのが岩崎俊一さんの章に出てきます。私は岩崎さんの朗読を実際に聞き、自分でもやってみました。いい本です。本当に効果がありましたから。
4
梶 裕輔
『かくも雄弁なクルマたち』
クルマとクルマ広告への愛に溢れた本です。モータリゼーションの推移を面白く読みながら、句読点の打ち方、文章のリズム…すべてを一緒に、梶先生から学ぶことができます。
5
『日本大歳時記』全5巻
俳句が特に好きというわけではないのですがこの本にはひかれます。土地の風習、草の名前、ことの謂われ…知らない日本を巡ることができる、ヒマ時にぴったりの一冊。
6
本多勝一
『日本語の作文技術』
文やコピーを読んで何かおかしいと感じたときに、これを開けばその原因が見つかります。例文が古いので時代を感じますが、これより明快な文章本を見たことがありません。
8
和田誠/糸井重里・編
『土屋耕一のことばの遊び場』
日本デザインセンターの入社試験で、好きなコピーライターは、と聞かれて土屋耕一さんと答えました。伝えたくて、伝えたくてが伝わる土屋さんのボディコピーが特に好きです。
9
鴻上尚史
『発声と身体のレッスン』
内容より人は声を聞いている、らしいです。プレゼンが上手くなるには、声きたえる手があるというわけで、この本をおすすめします。ハミングレッスンはお風呂でできます。
10
加賀野井秀一
『新しい教科書 ことば』
加賀野井さんの話にはソシュールとか言語学の人名、用語が出てきて少しうっとうしいのですが、日本人のコミュニケーション文化が明快に語られていて、いずれ、そのうち、忘れたころ、コピーワークに効いてきます。