BOOKS
Vol.01
軍司 匡寛 自分の価値観を思い出させてくれる10冊
1960年の日本デザインセンター創業時から社員に親しまれ続けている資料室。
その約2万冊の収蔵本の中から選んだ10冊をお勧めする
「ライブラリーのおすすめ本をシェアするプロジェクト」
第1回目は、軍司 匡寛(オンスクリーン・デザイン研究所 チーフデザイナー)が選んだ10冊です。
1
Saul Bass
“A Life in Film and Design”
映画のタイトルバックをはじめて作ったと言われる有名なデザイナーの作品集です。大学時代にモーションやアニメーションに魅せられていました。2008年に出た「ソール・バスの世界」というDVDもおススメです。
2
Malkit Shoshan
“Atlas of the conflict Israel Palestine”
イスラエル/パレスチナの紛争を過去100年のデータにより分析し、500以上の地図とダイアグラムからなる社会学の解説本です。BEST DUTCH BOOK DESIGN 2010に選ばれたオランダのデザイナーJoost Grootensによるデザインです。彼のほかのデザインも必見です。
3
Bruno Munari
“Animals for sale” “Who’s there? Open the door!” “Tic,tac,and toc”
5歳の子供のため、良い絵本がないという理由で作成された絵本。オリジナルがあるNDCは素晴らしい。再版はどれもペーパーバックであんまりです。
4
石岡瑛子
『私デザイン』
最近の個性を消すデザイナーたちとは真逆なほど「私」を打ち出してくるデザイン自叙伝です。躁病を地で行き、誰もが個性を打ち出すことを諦めたくなるようなオリジナルな美を追求していて、新しさすら感じます。オリエンタルを越えた日本のデザイン。
5
Saul Bass
“Henri’s walk to Paris”
今年、奇跡的に50年のときを経て再発されたSaul Bassによる美しい絵本です。何と、そのオリジナルがNDCにはあります。ムナーリの本もそうですが、状態が悪いにしろあることが恵まれています。
6
ポール・ランド
『ポール・ランド作品集 1946-1958』
一生影響を受け続けると思う楽しいグラフィックです
7
John Maeda
“Maeda@Media”
今後デザインに求められているのは、「自分の価値観を思い出させてくれるような方法」とインタヴューに答えていて、しっくりきたのを憶えています。TEDxのプレゼンやVISUALOGUEのプレゼンもユーモアがあって楽しかったです。デザインとテクノロジーの中に人間味を付加していて、日々影響を受けています。
8
Karel Martens
“Printed Matter Drukwerk”
オランダのグラフィックデザイナーの作品集です。印刷物をまとめた本で、最近ページを増加して、再編集されました。インクと紙の実験集として制作意欲を触発します。
9
Hella Jongerius
“Hella Jongerius: Misfit”
オランダのアーティストの作品集です。同国の世界的に有名なブックデザイナーのイルマ・ブームがデザインしています。表紙のアイデアも素晴らしいが全体のこのキレイすぎないレイアウトがアーティストに合っていて良い。