Jun. 2021

デザインがつくる新しい景色 デザインがつくる新しい景色 デザインがつくる新しい景色

山口萌子/色部デザイン研究所 / デザイナー

人の風景の一部になっている瞬間がうれしい

山口萌子

色部デザイン研究所 / デザイナー

1987年生まれ。慶應義塾大学法学法律学科、多摩美術大学美術学部グラフィックデザイン学科卒業。書体デザイナーを経て、2017年より日本デザインセンター色部デザイン研究所に勤務。日本デザインセンター入社後は、書体デザインの知見を活かし、VI、サイン計画、パッケージデザインなど幅広く手がけている。主な実績として、高輪ゲートウェイ駅エリア大規模都市開発「TokyoYard PROJECT」書体ディレクション、「東京都現代美術館」サイン計画、「草間彌生美術館」VIおよびサイン計画、など。

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こんにちは。デザイナーの山口萌子です。ブランディングやVISUALIZE 60のような展示計画、サイン計画を多く担当させて頂いています。

品川、田町間に2020年に新設された、高輪ゲートウェイ駅周辺の街づくりプロジェクト「TokyoYard PROJECT」では、主に書体をデザインしました。街づくりに関わる皆さんの気持ちをつくる心の柱になれる存在として、この書体が機能してくれるとよいな、と思いながら取り組んだ仕事です。新たなクリエーションが生まれる遊びのある街づくりを目指す、街のキーワードのひとつに「Playable」があります。書体はその目指す姿を体現したものです。おかげさまで、お客さまからは「この書体を使うたびに街のスピリットを思い出して、新しい街づくりに挑戦している」と聞いています。

日本デザインセンターの60周年を記念したVISUALIZE 60では、展示計画を中心にSNSの発信なども担当しています。計画途中にコロナウイルスの感染が拡大し、開催するかどうかの議論もありましたが、実物を通し、デザインの力を感じてもらいたいと、開催に至りました。今までの展示方式では成り立たないこともあり、例えば音は、従来イヤホンを使用するところを、非接触で音を聞く「指向性スピーカー」を採用するなど、コロナ禍での展示を模索し、未知の場所に踏み込みながらプロジェクトを動かしてきたことは、よい経験になりました。細心の注意を払いながら予約制で多くの皆さまがご来場くださっています。人が楽しんでいる姿が自分たちのデザインの成果。クライアント、クライアントの先にいるお客さまの反応を、直接自分たちが感じ取って実際に見ることができることが喜びです。デザインが、人の楽しむ空間の一部になっているというのがうれしい瞬間ですね。

コロナ禍、自由な移動も難しい状況ですが、いま行きたいのは神戸。最初に就職した時に住んだ街で、第二のふるさとだと思っています。東京ではビルの中に集約されているお店が、神戸ではちっちゃなお店が路面に広がっていて、人と人とが近い距離でコミュニケーションが取れている感じがします。数年経っても顔を覚えていてくれて「東京から来てくれたんだね」と言ってくれる関係性が今もあります。

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