Nov. 2015

クリエイターを支えるライブラリー運営

関本 香/管理本部 広報室

古くて貴重な本が現役のデザイン資料として利用されています。

関本 香

管理本部 広報室

東京都出身。大学卒業後、書店勤務を経て、1996年にプロデューサーとして入社。2007年に情報資料室へ異動し、2012年より広報室に勤務。趣味はお花。生けた花をライブラリー内に飾ることもある。

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こんにちは、関本香です。日本デザインセンターには、1960年の創業時から国内外問わず、デザイン資料となる書籍を収集したライブラリーがあります。創業当時は1ドル360円の時代です。海外の資料はとても高価だったはず。それにもかかわらず、惜しみなく収集していたこともあり、古くて貴重な本が現役のデザイン資料として利用されています。

日本デザインセンターには、プロデューサーとして入社しました。その後、出産・育休を経て現在の部署へ異動し、クリエイターのアイデアソースが集まったライブラリーの運営を担当しています。当初は利用者であり元書店員だった立場から、利便性を重視した運用に変えようと思っていました。しかし、ライブラリーは創業時から司書の資格を持った方々が管理してきた場所でした。資料の分類方法など図書館学を知らないまま、いきなり運用を変えるわけにはいかない。すぐに資格を取得する必要があると考えるようになりました。ただ、家では双子の母なので、自分のことばかりを優先はできません。子どもたちの小学校入学を待ってから、大学の通信教育部図書館司書コースに入学しました。

学芸員の資格を持っていたので1科目免除されて、卒業するには11科目22単位が必要でした。最大2年間の在籍が認められていたので、2ヶ月に1科目のレポート提出と試験合格を目標に、毎朝4時に起きて6時まで勉強し、約2千字の手書きレポートを提出する日々が始まりました。通信って孤独との戦いでもあるんです。相談できる友達がいない。簡単に先生へ質問できない。レポートの再提出が続いたときは、つらかったです。仕事の昼休憩に京橋図書館や千代田図書館の司書の方に話を聞きに行ったこともありました。資格を取得した今は、発見が生まれる棚作りを心がけています。たとえば、草花をテーマにしたニック・ナイトの写真集があったとしたら、自然科学の棚に並べる。不思議に思われる方もいるのですが、そうすることで自然科学を調べに来たデザイナーがその写真集を手に取り、新たなインスピレーションが生まれるきっかけになるかもしれないからです。

選書方法も本の問屋さんから送られてくる本やリストから選ぶだけでなく、自分の目で吟味した本を加えるために、月1回ほどデザイン関係に強い書店・古書店や代官山 蔦屋書店へ行きます。蔦屋書店であれば、デザインや料理、クルマなど各分野に詳しいコンシェルジュの方と20分ずつ話し合いながら選書し、そこから原社長をはじめとするクリエイターが確認して、導入する本を決めます。「あのデザイナーはこの本が好きだろうな」と考えて仕入れた本を、本当にそのデザイナーが手にとったりすると、声をかけたくなるくらいうれしいですね。中には誰も手に取らない本もありますが、気にしないようにしています。今はそうであっても、数年後に重要なデザイン資料となることもありますから。書籍は会社にとって財産なのです。

幼い頃から本が大好きでした。小学生のとき英語が読めないのに、J・W・アングランドのSTORY BOOKという海外の絵本に一目惚れして、買ってもらったことがあるくらい。その絵本は今でも宝物です。この前、すごく驚いたことがありました。娘が本屋で買ってほしいとお願いしてきた絵本が同じ作者のものだったんです。まさか娘と絵本でつながるなんて。普段の仕事でも、驚くような縁があります。都内問わず幅広い図書館や書店と交流し、困ったときに素早く連携を図れるようにしているのですが、その活動がきっかけで世界が注目するブックデザイナーの一人、イルマ・ボーム氏を招いたトークイベントを日本デザインセンターで開催することになりました。初めての運営で反省点はたくさんあります。ただ、学生やプロのデザイナーなど年代を問わず参加いただいた皆様の楽しそうな姿を見て、少し自信も持てました。これからも社内外のクリエイターが情報共有できる、本を中心としたイベントを続けていきたいと考えています。

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