展覧会「新先史時代────100の動詞」
Andrea Branzi
来館者は、100の動詞、100の生命力溢れる刺激に導かれ、原始時代の石器からマイクロテクノロジーまでを観てまわる。薄暗く果てしない空間の中を歩くごとに、ドルメン(巨石遺構)や高度に洗練された道具、明確な方向性をもつことなく膨張した人類の変遷の証に巡りあう。それは、人間の手技による成果であったり、人工知能から生まれたものであったりする。その人工知能は、この惑星に人類が存在したときから常につきまとってきた闇、暴力、ミステリーや神話を内に秘めた技術の進歩を突如明るく照らしだす。本展は、古代先史時代から現在まで、ときに劇的な展開をみせる長い人類史を、国籍も年齢も異なる2人のデザイナーが協力して模索するところから誕生した。単なる技術的発明を見せるものではなく、なにより、未来を明確に意識することもなく一歩一歩前進する人間の営みが抱える永遠の不確実性を見せるのだ。すなわち、「Design After Design」、「デザインの行方」を喪失したデザインを見せるのだ。
原 研哉
100の道具と100の動詞を組み合わせ、人類の欲望の歴史を定型詩のように描いてみました。人間は道具を介して能力を拡張してきました。能力の拡張は「欲望の拡張」と同義です。したがって道具の進化は、欲望の進化そのものです。進化というと洗練に向かうように錯覚しますが「賢さ」だけが進化するわけではありません。「愚かさ」も「残酷さ」も「狡猾さ」も進化するのです。こうした人類の進化の先に何があるのか、果たしてそこに希望があるのかどうかを、アンドレア・ブランツィ氏と一緒に考えたのがこの展覧会です。人工知能の時代を前に、再び薄暮のような時代に私たちは立っています。人類はどうやら自分たちが考えるほどには賢くなさそうですが、懲りずに進むその姿にこそ生命の輝きがあると思うのです。
Concept Animation by Andrea Branzi and Kenya Hara
Animation 1 & 2: Andrea Branzi
Animation 3: Andrea Branzi
Animation 4: Andrea Branzi
Animation 5: Kenya Hara
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- Curation
- Andrea Branzi, Kenya Hara.
- Exhibition Design
- Andrea Branzi, Kenya Hara + Hara Design Institute (Nippon Design Center Inc.)
- Direction
- Silvana Annicchiarico
- Exhibition Design Project and Supervision
- Lapo Lani
- Curatorial Assistance
- Francesca Balena Arista
- Photos
- Yoshihiko Ueda
- Animation and Media art installation
- WOW
- 3D laser mist hologram
- Nobumichi Asai (WOW inc.)
- Exhibition Design Project Assistance
- Francesca Bovalino
- Research
- Francesca Balena Arista with Marta Elisa Cecchi
- Organization
- Maria Pina Poledda
- Communications
- Damiano Gullì