10 SELECTED
BOOKS

Vol.04
青木 大 写真を撮り続ける事を考える

Vol.04 青木 大 写真を撮り続ける事を考える

1960年の日本デザインセンター創業時から社員に親しまれ続けている資料室。
その約2万冊の収蔵本の中から選んだ10冊をお勧めする
「ライブラリーのおすすめ本をシェアするプロジェクト」
第4回目は、青木 大(画像制作部 フォトグラファー)が選んだ10冊です。

1
中平卓馬
『Documentary』

昔から中平卓馬の写真は見てきたが、事故にあった後の彼は、本当に撮るということしか知らない子供のようだ。実際にそうなのかもしれないが、こんなにも写真を写真としてアウトプットできる写真家は日本にはいない。うらやましい。

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2
川田喜久治
『地図』

川田喜久治は近代の日本写真家の中でとび抜けて地名度のある作家ではないが、何がいいのかさえも必要ではないのではと思わせる。狂っているのかもしれないけど、説得力はものすごい。

3
Christian Petterson
“REDHEADED PECKERWOOD”

編集されていたり、考えすぎている事がわかる写真集はあまり好きではないが、この写真集はちょうどいい感じ。カラーが黒白に見えたりするところもおもしろい。

4
Andre Kertesz
“Sixty Years of photography 1912-1972”

アンドレ・ケルテスは僕が大好きな作家の内の一人です。
彼の写真を見ていると、「撮り続ける事」と「考え続ける事」の重要性を考えさせられる。

5
Diane Arbus
“An Aperture Monograph”

写真家はみんなフォトジェニックな対象を人物にも、風景にも探しているが、ダイアン・アーバスは少し違うような気がする。彼女自身にも対象にも常にコンプレックスがあったため生まれたこの写真集は、ネガティブのかたまりだ。だれもが知っている写真集ではあるが、もう一度見たかった。

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6
Thomas Ruff
“Photography 1979 to the Present“

トーマス・ルフは写真家というか研究者みたいな写真を撮る。彼の写真を見るといつも自分の発想がいかに乏しいものか思い知らされる。

7
Andreas Gursky
“Fotografien Schirmer / Mosel”

ノイズや情報を捉えるのがものすごくて、アングルもすごい。さらにそこで生まれる解像度は絶対的なもので見ていると彼の表現しているものがすべて正しい事のように思える。

8
Andre Principe
“Smell of tiger precedes tiger”

一度見てなんとも思わないかもしれないが、2度3度みてみて下さい。なかなかいいですよ。

9
Wolfgang Tillmans
“View from above”

ティルマンズを知っている人はたくさんいすぎるので、説明は不要な気がするが、彼は世界でもトップクラスの作家であり、カメラマンだ。悔しいがすごすぎる。
セクシーで物語があって美しい。こんな作家はなかなかいない。

10
Lee Friedlander
“Portraits”

いまだにリー・フリードランダーの何がいいかがわかっていない。
でもなんかいい。彼がどれだけピュアかはわからないが、自分もこんな風に撮れればいいなと思う。